【うみまち仕掛け人Vol.9 Part1】梶原祐理子さん

【ぽかぽかインタビュー】

2019年の秋から新シリーズが始まったぽかぽかインタビュー。

 

「うみまち仕掛け人シリーズ」では、蘇我・千葉みなとの今にクローズアップして、うみまちを盛り上げる活動に取り組んでいる“仕掛け人”を取材しています。

 

第9回となる今回は、NHK千葉放送局で局長を務める梶原祐理子さんに取材をさせていただきました。

▲梶原さんとうしろに広がるガーデン

 

さて、NHK千葉放送局はまたの名を“花の放送局”といい、

ガーデンには季節を彩る花が植えられています。

取材に伺う少し前までは菜の花が見頃を迎えていて、綺麗に咲いていました!

▲菜の花が満開の頃

 

取材当日は残念ながら菜の花は終わっていましたが、

次の季節の花に向けて準備中とのことです!

次はどんな花がガーデンを彩るのでしょうか。楽しみです!

 

それでは、

インタビューに参りましょう。

▲インタビューの様子

 

Q.初めて来た当時の千葉みなとの印象を教えてください。

 

「このあたりは開発が進んでいることもあって、さほど東京と変わらないなというのがここへ来た当初の印象でした。ただ、その中でも千葉みなとの駅から少し進むと海が広がっていて、都会の近くに美しい海があるなんて素晴らしいなぁと感じました。それから、千葉市が“花の都・ちば“として、花のあふれるまちづくりをすすめておられ、素敵だと思いました。NHK千葉放送局はみなと公園と港第2公園の間に立地することから、千葉放送局の敷地を、より緑豊かにすることができたら辺りがいっそう気持ちの良い場所になるのではないか、などと思いました。」

 

Q.ガーデンづくりの経緯を教えてください。

 

「私がここへ来た当初、千葉放送局の敷地には、自然の緑と言いますか、背の高い草がたくさん生えていました。敷地をいつもきれいにしておくのは難しいですね。特に夏場は草が茂って鬱蒼とした印象でした。当時、職員から総務に、草はきれいになりませんかと問い合わせもあったそうです。なんとかならないかなと思ったのが始まりでした。」

 

―緑を上手に活用するのは大変ですよね…

その後、どうのようにガーデンができたのでしょうか。

 

「以前、Eテレの『趣味の園芸』など、園芸番組のグループで仕事をしたことがあり、地域の人たちが庭づくりに参加するコミュニティガーデンというものがあることは知っていました。そこで、千葉に着任してからすぐ、かつての同僚に、コミュニティガーデンづくりを指導して下さる方を推薦してもらえないか相談したところ、千葉大学環境健康フィールド科学センターの渡辺均教授がぴったりだと教えてくれました。」

 

―渡辺先生は庭のデザインだけでなく、地域づくりや自然環境についても考えている方で、「ここで何かをするなら、ただ花壇を作って綺麗な花を育てるだけでなく、この地域の生態系の一部だという意識を持って取り組むことができたらおもしろいですね。」とおっしゃったそうです。梶原さんはこの話を聞いた時、地域に溶け込む緑地づくりとはこういうことなのか!とドキドキして心躍ったそうです。

▲渡辺先生によるガーデンでの講習

 

Q.新しいことをはじめる苦労はありましたか?

 

「計画を進めるにあたって、放送局の敷地を花壇にして地域の憩いの場として開放することを、職員の誰もが前向きにとらえているか心配ではありました。しかし、ガーデンを計画していた最中の2019年9月9日、千葉県は台風15号で大きな被害を受け、職員の中から、県民の皆様をお励まししたい、寄り添いたいという機運が高まりました。もともと地域のお客様と接する機会が多い営業部からは、部長を筆頭に特に熱心な花壇づくりへの参加の意向がありました。県民の皆さまが愛する菜の花を育てることで、“ここに私たちが居ます。一緒に復興を頑張りましょう”と伝えようと、職員たちの心がまとまっていきました。」

 

「その後、花と緑のまちづくりをすすめている千葉市さんが、千葉放送局のコミュニティガーデンづくりを千葉市の後援事業として下さり、ボランティアの方々を募集することになりました」

 

―様々な人が関わることで今のガーデンが出来上がっているのですね。まさに、地域との繋がりありという感じです!

 

Q.ガーデンは地域の中でどんな反響がありましたか?

 

「たくさんの方に声をかけてもらえるようになりました。庭に出ると通りがかりの人が“お庭が綺麗ですね”とか、“お花がきれいなので、こちらに道を変えました”などと言って下さり、職員たちも皆、喜んでいます。ガーデンをきっかけに地域の方との会話が増えましたし、人通りも増えたと感じます。その他、“見通しが良くなった”とか、“花があると人の目が増えて防犯効果がある”とか、いろいろ褒めていただいています。また、近所の園庭の無い保育園の園児ちゃん達にも花壇づくりに参加してもらっています。園児ちゃんたちが敷地内で水やりをしてくれている様子が日常の風景となっているのがとても嬉しいです。卒業式シーズンには、袴姿の大学生が、かわるがわる菜の花をバックに写真を撮っていかれ、春の風物詩にもなりつつあります。」

 

―地域の人たちと力をあわせて明るいまちづくりに貢献したとして、千葉商工会議所女性会から感謝状が贈られたそうですね。おめでとうございます!

 

「ありがとうございます。地域の方々と一緒に喜びあいました。」

▲子供たちによる水やりの風景

 

「こういった繋がりの中で感じるのが、 “千葉にNHKがある”と日頃から身近に感じていただくことが、情報発信にも有効なのではないかということです。平時から親しみを持っていただき、繋がっていれば、有事の際にも、“そうだ、NHK!”と思い出していただける。そうすれば、地域に速やかに防災減災情報が届けられ、私たちが力を発揮できます。」

 

―ガーデンを通じた地域との繋がりが本業であるメディアとしてのNHKにも活きてくる瞬間ですね!

 

「また、園児ちゃん達がガーデンに関わってくださると同時に、その親世代の方々との繋がりができることも良いことだと感じています。保護者の方々のネットワークというのはとても前向きで、子ども達にいい未来をという気持ちを持つ方が多いので、そのような方にNHKと関わりを持っていただくことが、地域とのネットワークを形成する上でとても重要だと思っています。」

 

―未来に前向きな人たちがつくる社会はきっと素敵なものになると私(筆者)も思っています!

 

ガーデンの成り立ちや想いについてとてもいい話を聞くことができましたね。

梶原さんへのインタビューはまだまだ続きます!Part2にご期待ください!

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