2019年10月から始まった、ぽかぽかインタビューの「うみまち仕掛人」シリーズ。
蘇我・千葉みなとの今にクローズアップして、うみまちを盛り上げる活動に取組んでいる“仕掛人”を取材しています。
第30弾でご紹介させていただくのは、アペロジャパン株式会社の松下亜里奈さんです。松下さんは第28弾でインタビューさせていただいた神谷さんにご紹介していただきました。

アペロジャパン株式会社さんは、ペットフードの販売や『WAN LOVE MARKET』というイベントの開催を行っています。『WAN LOVE MARKET』は千葉県最大級のペットイベントで、全国から出店者が集まって、ペットのお洋服やペット用の保険、ペット用のモップなど、様々な商品が販売されているそうです。
そんな松下さんに千葉みなとに対する想いを語っていただきました!それではどうぞ!
<千葉みなとの魅力について >
―松下さんが思う千葉みなとの魅力を教えてください!
「実際この千葉みなとに住んでいる住民として、公園が近くにあってお散歩にもすごく便利なところが魅力に感じています。また、この千葉みなと周辺には大きなファミリー向けのマンションがたくさんあって、このケーズハーバーの前がみんなの集まるお散歩の終着点になっています。なので、お店の視点でいうと、ターゲット層が自然に集まってくれるという所がすごく魅力的です。これからも千葉みなとにマンションや商業施設などができて発展していくと思っていますし、それに伴って潜在的なお客さんも増えるのかなと思っています。」
―千葉みなとにお店を出そうと思ったのはなぜですか?
「やはり犬連れのお客さんのことを考えた時に、どうしても駅の周辺とかよりも、駐車場に車を停めることができてお散歩もできるという場所を探しました。この千葉みなとは、少し海風に吹かれながら海沿いでペットとゆっくりできるような場所であり、アクセスも良かったので、最終的にお店を出す場所に決めました。」
―千葉みなとの人々と関わる中でどういった印象を感じましたか?
「お店を利用してくださっているお客さんは約8割が女性の方になります。本当に近所の方がお散歩のついでにお店に来てくださるという感じなのですが、皆さん本当にペットのことを大事にされているという印象を受けます。また、最近では20代30代の若いカップルやご夫婦で一緒に買いに来てくれるっていうのもかなり増えてきているので、若い世代にも受け入れられている街なのだとも思います。」
―確かに、私たちDropsが企画している『ぽかぽかフォトコンテスト』でも、ペットと一緒に千葉みなとで撮った写真を応募してくださる方が多く、皆さんペットを愛しているというのが伝わってきます。ペットとゆっくり時間を過ごせるという千葉みなとの魅力は新しい視点でした!

△インタビューの様子(とても楽しくインタビューさせていただきました~)
<お仕事について>
―具体的にどのようなお仕事をなさっているのか教えてください。
「お店ではペットフードを製造して販売をする事業をしていて、それとは別に年3回のイベントを開催する事業も行っています。 今まで計13回のイベントを開催していて、今年の8月からこの千葉みなとで初めて『WAN LOVE MARKET』というイベントを開催しました。『WAN LOVE MARKET』は千葉県で1番大きなペットのイベントになっていて、1回の開催ごとに約15000人のお客さんが全国から集まってきてくれています。」
―どうしてペットフードを作るお仕事を始められたのですか?
「私がペットフードを作ろうと思ったきっかけは、そもそも昔にペット関係の仕事をしていたという訳ではなく、飼っていた犬のアレルギーがひどかったので、犬のご飯を市販のペットフードではなく自分で作ったおやつに変えてみたことです。作っていて楽しかったので、実際に仕事にしてみようかなと思いました。始めた最初の2018年はお店とかもなく、1年間は自分の家で作ったおやつを車に積んで、関東のドッグイベントで売っていました。そこでお客さんを掴んで、その翌年にフェスティバルウォーク蘇我に最初のお店を出しました。4年間蘇我でお店を続けて、お店の拡大ということで2024年の5月にケーズハーバーの場所をお借りしてから今まで営業しています。」
―お仕事をされる中でこだわりはありますか。
「お店のコンセプトとして、『犬と一緒に来れる駄菓子屋さん』というのをイメージしてお店を作っています。やはり商品は人から買っていただくものだと思っているので、ただ商品を買えるだけというお店ではなく、少しお話をする中でお客さんの顔や飼っている犬のことを覚えたり、ちょっと踏み込んだ話もできるような関係性になるような接客にしています。食材に関しては千葉県産のものを使用していて、いわゆるヒューマングレードを意識し、お客さんが安心してペットに食べさせることができる食材を厳選してペットフードの作成・販売をしています。また、一般的なペットフードは定量数、袋に入ったものが売られていると思いますが、チワワからセントバーナードのように、犬は大きさがバラバラで食べる量も違ってきます。そこでお客さんが飼っている犬に合わせて欲しい分だけを好きなように買える量り売りのスタイルで売っているというのも、すごくこだわりです。」
―どういった時に、やりがいを1番感じますか。
「お散歩でうちのお店に寄らないならお散歩に行かないとか、うちのおやつでないと食べないというワンちゃんがお客さんの中にとても多くて、しっかりとお店を覚えていてくれているというところが、お店をやっていて良かったと思いますし、やりがいに感じます。どうしても犬ってよく売っている固形状のペットフードを食べるというイメージを持っている人が多いのですが、最近の犬はアレルギーや疾患がとても多くて、市販のペットフードだけを一生涯食べ続けるということは大変なことで不可能に近いです。それでもそういった固定観念を持っている人が多いので、まず、そうではないということをお伝えして、アレルギーや疾患がある子たちに食べさせられるおやつをこちらから提案できるというのは、アレルギー等の問題で悩んでいる飼い主さんを助けられるという点で良かったと思っています。」


―アペロジャパンさんでは、カンガルーや鯨、鹿、猪、馬などの食材を使用したペットフードが販売されていました。その中でも、鹿や猪は千葉県でもかなり害獣問題になっており、猟師さんや解体屋さんと連携してそういった食材を積極的に使っているそうです。素晴らしい活用方法ですね!
<地域との関わりについて>
―お仕事の中で地域の人とどのようなお話をなさるのか教えてください。
「やはり犬を飼っている人は、犬が好きというのが共通認識で、ペットのことについて聞くと結構教えてくれます。その中で、例えば、『うちの犬が最近ご飯を食べないのよね』といった話を聞いたら、うちのペットフードのサンプルをお渡しして、『もらったペットフードを食べさせたら食べてくれたよ』と反応をいただくことも多いです。そこからうちの常連さんになってくれたり、他の人にも勧めてくれたりと、愛犬のコミュニティというのはとてつもないものなのだと実感しています。」
―千葉みなと地域の魅力づくりのために工夫なさっていることはありますか。
「意外にも千葉みなとって案外まだ知られてないので、『WAN LOVE MARKET』やうちのお店に来てくれたお客さんに千葉みなとの魅力を伝えています。よくお客さんには、さんばしひろばのサンセットがものすごく綺麗なことを教えたり、公園までのお散歩コースなどをおすすめします。そうすると、犬を飼ってる人は千葉みなとで写真を撮ってそれをインスタグラムとかに載せるので、投稿を見た人はこの場所がどうなっているかが分かるし、それは一種の認知活動になるので、千葉みなとをおすすめするということは、お店に来てくれたお客さんにするようにしています。」
―これからの千葉みなとにどのような変化を期待されていますか。
「千葉みなとに住んでいる人だけでなく、どこかから人々が集まって来て、観光地としてこの千葉みなとがもっともっと広く認知されていってほしいと思います。例えば遊覧船に乗れることや他にも魅力的な施設がたくさんあるということが知られていないので、この千葉みなとが 一体となって、これから先このエリアをどうするかをしっかりと考えていかなければいけないと感じています。特に若い子たちにどんどん来てもらって、1回だけではなく2回、3回と来られるような場所にしていくことが、この千葉みなとをもっと盛り上げていくために必要なのかなと思います。」
―松下さんは地域との関わりの中で、まさにペットを飼っている人たちにとってのカウンセラー的な役割を果たされているのだと分かりました。イベントや日々のお仕事の中で、千葉みなとの魅力を伝えることを実践されていることから、これからの千葉みなとを考え、本気で千葉みなとを盛り上げていきたいということが伝わってきますね。松下さん、お忙しい中インタビューを引き受けていただき、ありがとうございました!
(取材・撮影:NPO法人Drops 宮)