こんにちは!
今日は、千葉県立美術館で行われている展示をご紹介します!

展示会タイトルは「もし太陽に名前がなかったら」
タイトルからいろいろ考えてしまいます…
こちらの展示は、以前インタビューで伺った
千葉県立美術館の副館長である、中松さんからご紹介いただいていました。
山下麻衣さんと小林直人さんのお二人は、千葉県出身のアートユニットです。
瀬戸内国際芸術祭でのお二人の作品《世界はどうしてこんなに美しいんだ》がすごく素敵だったんです、と
中松さんに教えていただきました。
そしてなんと、今回の展示会のために作っていただいた作品があるのだそう!
インタビューの際、今回の展示会に至るまでの興味深いお話をたくさんお聞きしていたので、
筆者が個人的に楽しみにしていた展示です。
今回、作品の撮影がokでしたので、
ネタバレにならない程度に、写真付きでご紹介していきます!
(個人的な感想を書いていますので、解釈違いの部分には目を瞑ってください…)
中に入りまず目についたのが、《積み石》というタイトルの映像作品。
小林さんと山下さんが積み重なっていく中、ワンちゃんがやってきて
「どうなるんだろう、どうなるんだろう」とワクワクして見てしまう作品です。
こちらは最後の瞬間を写真に撮ってしまったので、ここではお見せしません(笑)
ぜひ実際に行って、ご覧ください!
展示を奥に進むと見えてくるのは、
「A」「T」「G」「C」のアルファベットをひたすら読み上げ、書き並べている映像。

展示室に入った時からずっと呪文のような声が聞こえていて、とても気になっていました。
ひたすら書き続けられるこの文字は、
COVID-19のうち、最初に検出されたウイルスのゲノム情報の塩基配列。
そしてこの映像を投影しているスクリーンは、約2000枚のガーゼマスクを繋ぎ合わせたものだそう。
中松さんから伺ったお話と照らし合わせると、
どうやらこの作品が、今回のために作っていただいた作品のようです。
(調べたら、ホームページにもそう書いてありました。「特定した!」と思ったのですが…笑)
こちらの映像は12時間48分あり、開館時間より長いので最後までは見届けられませんでしたが、
最後はどんな風になるのでしょう。気になります!
お隣では、《世界はどうしてこんなに美しいんだ》も展示されていました!

お隣の展示室に移動すると、目に飛び込んでくるのはこんな景色!
インパクトに圧倒されつつ、頭の中には「?」がいっぱいです。

よくよく見てみると、手前の砂山とスプーンは奥に映される映像と関係があるよう。
映像では、磁石を持った人物が砂鉄を集めています。
なるほど、これは集めた砂鉄で作られたスプーンと、その周りにあった砂たちだったのですね!
左のオレンジ色の作品も気になります。
展示室の少し凹凸のある床に反射して、まるで∞のマークが水面から顔を出しているようです。
これらの作品を見ていると、なんだか海の中にいる気分になってきます。

最後にご紹介するのは《1000 WAVES》という映像作品。
こちらも展示室に入ったときからずっと呪文のような声が聞こえていて、気になっていました(笑)
打ち寄せる波をひとつずつ数えています。
これは記念すべき1000回目!
タイミング良く出会ってしまい、つい写真を撮ってしまいました。
実はこの日、筆者はとても嫌なことがあり
もやもやした気分を変えたくて美術館に飛び込みました……
静かに作品と向き合いながら、作品の意味を考えたり、嫌な記憶と向き合ってみたり。
展示を見終わる頃には、少しだけ前向きな気分になっていました。
アートっていいですね。
とても有意義な時間でした。
そして、そんなことを考えながら思い出していたのはインタビューで伺った中松さんのお話。
中松さんは美術館を、心休まる「カフェのような場所」とおっしゃっていました。
お話を伺った時もなるほど、と思っていたのですが、今回のことでより実感しました。
みなさんもぜひ、
嫌なことがあってもやもやした時、
つらい気持ちになった時、
自分と向き合いたくなった時、
行ってみてください。
「正しい鑑賞の仕方がわからない」なんて固く考えなくていいと、筆者は思います。
あなたがそこで感じたことが、すべて正しいです。
美術館、本当におすすめです。
文:長谷川鈴実(Drops)