【うみまち仕掛人インタビューvol.20】甘利 新造さん

【うみまち仕掛人インタビューvol.20】甘利 新造さん
2019年10月から始まった、ぽかぽかインタビューの「うみまち仕掛人」シリーズ。
蘇我・千葉みなとの今にクローズアップして、うみまちを盛り上げる活動に取り組んでいる“仕掛人”を取材しています。


● 今回の仕掛け人の甘利新造さん

第20弾でご紹介するのは、南町共栄会で会長を務めていらっしゃる甘利新造さんです。

↑甘利さんの写真

甘利さんは、前回インタビューしたラーメン鐡の舘市さんからご紹介をいただきました。
舘市さんのインタビュー記事は→→こちら

今回の取材先は、南町共栄会の会長である甘利さんです。
甘利さんは馴染みがある言葉で言い換えると町会の会長さんです。
筆者は町会とは無縁の生活をしていたため町会についての知識が浅く、漠然としたイメージしかないので緊張とワクワクで頭がいっぱいです。
どのようなお話が聞けるのか想像を膨らませつつ、いざ取材へ!

↑取材の様子

● 蘇我エリア・南町共栄会との出会い


― 甘利さんと「蘇我」との出会いについて教えてください。

「蘇我に来る前までは土気にいましたが、息子が蘇我は東京から一本で帰ることができる場所ということから戸建ての家を蘇我に建てたんですよ。その家に一緒に住もうということで蘇我に来ました。16,17年前ほどになりますかね。」

甘利さんは蘇我のご出身ではないそうです。そんな甘利さんがどのようにして、南町共栄会に携わるようになったのでしょうか?? 経緯をお聞きしてみましょう。


― 南町共栄会に関わるようになったきっかけについて教えてください

「家の前にマンションが建ったんですよね。そのマンション建設による環境問題の話し合いなどに参加しているうちに、町会の方からいろいろ手伝ってほしいという話があって町会の役員になったんですよ。12年ほど前から役員になって、副会長が4年、会長は今年で5年ほどになります。」

筆者は町内の問題に関わることには、抵抗を感じてしまいます。
甘利さんの行動力は本当にすごいなと思いました。
また、町会に関わるようになって10年以上になるのは正直驚きました。
次から具体的な南町共栄会での活動について聞いていきます。


● 南町共栄会での活動について

― 南町共栄会での活動について教えてください!

「共栄会の活動は“安全で安心なまち”を目標に活動しているので、防犯のためにパトロールを行っています。その他にも様々な行事も行っていますね。
また、日常のちょっとした困りごとや、困っている方を支援するために『きずな隊』という活動もやっています。」

多くの種類の活動がありますね…
パトロールもその他の行事も『きずな隊』というのも全部気になります。
一つずつ聞いていきましょう!


― パトロールなどの防犯に関する活動についてより詳しく教えてください!

「毎週やっているパトロールと、月4回ほどの青色のパトロール帽子を車の頭に付けて行うパトロールがあります。また、ゴミステーションでの不法投棄で回収されないごみの回収と電柱に貼ってある違反広告を剝がしたりするパトロールがそれぞれ月に1回あります。

↑パトロールの際に着るビブス
↑ 車の頭の上に付けるパトロール帽

また、“安全で安心なまち”を作る上で一番気を付けていることは情報の共有になります。毎月定例会があるのですが、それに向けた資料の作成に力を入れています。今ではコロナで定例会が開けないので、この資料が情報の中心になりますね。他所からいらした会員さんからは、「情報をここまでこまめに教えてくれるとこはなかなかないですよ」とお褒めの言葉なんかもいただいたりしますね。パトロールや情報共有の甲斐もあってか南町は周辺よりも犯罪が少ないですね。」

↑2022年8月の定例会資料目次
↑防犯関係の内容

パトロールは月に計8回以上やっていることになります。
とても力を入れられているなと感じました。
定例会の資料についても、多くの情報が掲載されており安全で安心なまちのために大きな役割を果たしているのではないでしょうか。
では、次は南町共栄会での行事について聞いてみようと思います!

― 南町共栄会で行っている行事について詳しく教えてください!

「例えば、『Let’s enjoyそが』が開催しているラジオ体操キャラバンに南町でも行ったり、今ではコロナで参加していませんがかざぐるまプロジェクトにうちの子供会が参加したりしていました。
他にもコロナでできていないものにはなりますが、JFEちばまつりでこども神輿を出させてもらったり、運動会や盆踊りを実施したりとたくさんの行事を行っています。」

↑JFE千葉祭りで使われるこども神輿
↑運動会で用いられる旗

とてもたくさんの行事を行っているんですね!
筆者も子供の頃にこのようなイベントに参加できたら楽しかっただろうなと感じます。
さて、次に『きずな隊』について聞いていこうと思います

― きずな隊とはなんですか?

「5年ほど前に、生活に不便を抱えているご年配の方をなんとかお助けしようということで始めた活動です。70歳以上の人や身体の不自由な方がゴミ出しや買い物などを依頼することができ、登録した協力者がお助けする制度です。依頼者と協力者を市役所がコーディネーターとなって繋げてくれます。お金はかかりますが、その方がかえって頼みやすいということで有料にしています。ゴミ出しなんかは、継続して行われるものになりますね。」

↑きずな隊について

(こちらのリンクからでもきずな隊についての詳細を見ることができます↓↓
https://chiiki-kaigo.casio.jp/chiba/info_services/47668?category_id=1016&page=2)

なるほど…とても興味深い活動ですね!
困ったときはお互い様という言葉を地域の人々同士で体現できるような仕組みがある地域はなかなかないと思います。

― そういった取り組みに対してどのくらいの方が参加されるのですか?

「ラジオ体操キャラバンは今年はコロナの影響もあって60人ほどですが、普段はその倍の120人ほどの方が参加しています。きずな隊については、去年の総利用回数が461回で協力者の方も100人ほどいますね。」

たくさんの方が参加されていますね!
南町共栄会の活動を通して、甘利さんは地域の多くの人を巻き込んで活動されているなという印象を受けました。
最後に甘利さんが蘇我に対してどのような思いや考え、今後の展望を持っているのかについて伺っていきます。


● 甘利さんの考える蘇我の今とこれから

― 甘利さんの考える蘇我のまちの魅力を教えてください!

「とにかく交通の便がいいところですよね。東京から一時間以内で来られることや始発電車があるなど本当に便利です。そして、暮らしやすいんですよね。買い物も非常に便利で、坂が少なく平らで移動しやすく、公園も何個かあって子育てする人にも便利ですよね。また、大きな病院や葬儀屋さんまでもがたくさんあって、生まれたときの病院から最後まで充実していますよね。あと、南町については犯罪も少なくてそれもいいところです。」

蘇我は子育てをする人や働く人、子供たちなどあらゆる人にとって住みやすい街なんだなと思いました!どのライフステージにいる人でも住みやすい街はなかなかないのではないでしょうか?

― 暮らしている中で蘇我の街に変化を感じることはありますか?

「サッカーのJEFが来たということや、蘇我スポーツ公園で大規模な音楽イベントがあったりと自分の住んでいるところの知名度がアップしたなと感じますね。また、『Let’s enjoyそが』という市役所が主催のJEFを中心としたまちおこしが始まったことも変化として感じられますね。JFEの遊休地がなくなって、マンションが増えているんですよね。なので、新しい住民の方も増えているんですよ。」

今年蘇我スポーツ公園で開催されたROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022では、日本中から人々が集まりましたよね!
千葉県外の人からも蘇我の名前が聞こえる機会が増えており、知名度は相当上がっているような気がします。
そして、今でも住民が増えているのは驚きました。

― 新しく住むようになった方々は町会に入ったり、イベントに参加したりするのですか?

「会員数も増えてきていますね。またイベントについては運動会や盆踊りとかそういうのはみなさん参加しますね。ですが、それがコロナによってできないので町会の魅力がちょっと減ってしまっています。その影響もあって今、町会に入らない理由に『町会に入っても何
もいいことがない』なんて言われてしまいますね。パトロールやゴミステーションを綺麗にすることは直接その人のメリットになるわけではないですからね。」

確かに町会の魅力を伝えづらくなってしまうのは痛手ですね…
しかし、その中でも会員数が増えているのはすごいですね!
では、このような状況において甘利さんの見据える今後の展望や構想についてお聞きしたいと思います。

― コロナ禍が続きますが今後どのように活動していきたいですか?

「対策を講じながら、なるべくイベントは増やしていきたいなと考えています。しかし、反対者が一人でも出たらやめようかなとも思っています。他の事は多数決でいいとは思いますけど、健康とかそういう問題に一人でも危惧する人がいたら、その考えを尊重しようと考えています。」

― 甘利さんの目指しているまちについて教えてください!

「やはり住みやすいまちにしたいと思いますし、安全で安心なまちも作っていきたいと思います。そして、できれば子供にいい思い出を作ってあげたいんですよね。蘇我に住んでこういう思い出があってよかったなと思えるまちにしたいんですね。これが私の理想です。なので、黄色いかざぐるまだったりこども神輿だったりというイベントをやっているんですよね。コロナが終わったらスポーツ大会やボーリング大会などいろいろしていきたいですね。」

甘利さんの地域の人や子供たちへの思いやりが強く感じられますね!
コロナが早く収束し、甘利さんの理想である「子供たちがいい思い出が作れるようなまち」に近づけるといいなと思います!


甘利さんとのインタビューを通して、町会の持つ魅力について知ることができました!
また、甘利さん自身からは地域をよりよくしたい、子供たちにいい思い出になるようなことを経験させてあげたいという熱意をとても感じられ、より多くの子供たちにこの南町でできるような経験をする場所や環境があればいいのになあと思いました。
また、蘇我のどんな人にとっても居心地がいいというまちとしてのすごさも改めて感じ、知名度アップと相まってさらに人気になるんだなとも確信しました。
これからも蘇我の進化を楽しみにしています!!
甘利さん、お忙しい中インタビューへのご協力ありがとうございました。


取材:安田 涼生 撮影:田嶋 航英 (NPO法人Drops)