【うみまち仕掛人vol.12 Part2】服部 常行さん

2019年10月から始まった、うみまち仕掛人シリーズ。

蘇我・千葉みなとの今にクローズアップして、うみまちを盛り上げる活動に取り組んでいる“仕掛人”を取材しています。

第12回でご紹介するのは、千葉市消防団中央区方面隊第1分団2部、寒川消防団の班長を務めていらっしゃる、服部常行さんです。
Part1では、服部さんの蘇我エリアとの出会いや寒川消防団としての活動について伺ったお話をご紹介しました。

今回はその続き、Part2です!寒川消防団の地域との関わりについて伺いました。

↓Part1はこちらからご覧ください↓
【うみまち仕掛人vol.12 Part1】服部 常行さん
 


●寒川消防団の地域との関わり

–––消防団は地域に根付いた組織であると思います。地域に対する想いや取り組みなど、寒川消防団の地域との関わりについて、お聞かせください。

「私たち消防団員は市の特別職員という立ち位置で、普段の仕事と両立して行っています。現在は地域との関わりは残念ながら、あまりないかもしれません。防災訓練と言ってよくイメージされる消火器を使ったパフォーマンスは、本職が消防士である「消防局」が担当しているというのもあり、地域に入り込んでいく、というのはなかなか難しいところがありますね。ですが地域で大きな災害があったら率先して出動しますし、防災訓練以外にも地元のお祭りの手伝いなんかもします。その時は主に事故対応ですが、地元の方と交流でき、自分の世界が広がりますね。ここ最近はコロナでお祭りもないですが、地元の皆さん元気にしているかな」

–––地元の方と会えないのは寂しいですね。このコロナ禍で様々な状況が変わってきていますが、活動の変化や新たな取り組みはありますでしょうか。

「そうですね、今までの活動を変えるいいチャンスなのかなと思っています。今まではなされていなかった少人数で歩いての見回りだとか、新たな地域との関わり方が出来ればと思っています。また最近は、消防団の価値についてよく考えます。防災だけでなく、地域の安全についても何かできるのではと。警察官でなくても、この服だと抑止力になったりしますから。コロナで消防団の価値がもっと上がればいいなと思っています」

地域を見守ってくれている人がいるというのは、とても安心しますね。

–––ところで、この拠点のシャッターには絵が描かれていましたね。

「下のシャッターは、この拠点と同じ敷地にある寒川小学校の生徒さんが描いてくれました。もう10年も前かな?地域との繋がりができていいですよね。あの絵を書いてくれた子はきっと今でも防災の意識が高いでしょう。最近の消防団のシャッターは絵なんて書いてないんじゃないかな」

↑シャッターに描かれた絵
↑反対側にもありました

そして服部さんの宝物を見せていただきました。小学生からのメッセージカードです。

「隣の小学校で年に一度、合同訓練をしているのですが、訓練が終わってから毎年書いてくれるんです。今年は消防団と消防の話を、狭いので人数を減らしてお話ししました。感想の中に話したことが入っているとすごくうれしいですね。前は4年生を対象にしていたんですが、今年から3年生に変わりました。もっとたくさんのところから呼んでいただけたら嬉しいですね」

↑小学生からのメッセージカード
↑「宝物です」と嬉しそうにお話ししてくださる服部さん

–––合同訓練はどうやって始まったのでしょうか?

「「小学校の一角にあるあの建物は何?」という小学生の声から始まりました。一昨年から小学校の消防訓練の中に入って、避難の様子の講評をお願いされたりしています。だんだん内容が濃くなっていますね。もう6,7年やっているかな」

消防団の方に訓練を見ていただけるなんて、小学生にとってとてもいい経験ですね。


●安心安全で住みやすいまち

最後に、消防団員としての服部さんが目指す「うみまち」の姿についてお聞きしました。

–––消防団員として、今後どのような地域になっていってほしいとお考えですか?

「やはり、発展しつつも、安心安全で住みやすいまち、でしょうか。歴史もあって、これからも成長していく蘇我を、安心安全なまちにしていきたいです」

–––ありがとうございました!

当日はこのあと、拠点の下にある器具庫で消防服やホースなどを見せていただきました!消防車も最近新しくなったそうで、ピカピカです。

「消防車に乗っていると子どもが手を振ってくれたりして、それが楽しみでもあります」

↑器具庫の中
↑消防車の裏側には水を汲み上げるためのポンプがありました

取材の後、下校中の小学生が器具庫の前に出ている消防車を見つけて「消防車だ!」とはしゃぐ姿も見られ、地域に愛される消防団だなとさらに感じました。

服部さん、お忙しい中取材へのご協力ありがとうございました。

(取材/長谷川鈴実 撮影/小森廉太)