【うみまち仕掛人vol.19】舘市 徹也さん 

2019年10月から始まった、うみまち仕掛け人シリーズ。

蘇我・千葉みなとの”今”にクローズアップし、うみまちを盛り上げる活動に取り組む“仕掛け人”に取材を行っています。


・株式会社鐵 代表取締役、舘市徹也さん

第19回となる今回は、蘇我にラーメン屋「鐵」を構える 株式会社鐵の代表取締役 舘市徹也さんに取材させていただきました。

▲取材に応じてくださった舘市さん

今回お話を伺った舘市さんは、以前取材した明治安田生命 蘇我営業所の小林さんからご紹介いただきました。

(小林さんの取材の様子はこちらからご覧ください)

味噌の美味しそうなにおいが漂うお店の中でのインタビュー、早速お話を伺っていきましょう!


・舘市さんと蘇我との出会い

まずは、舘市さんと蘇我の出会いについてお聞きしました。

―舘市さんと蘇我の出会いを教えてください。

「今から16年前になります。このエリアは、大学が多く若い子が結構集まる蘇我駅の周辺にあります。自分のラーメンは、背油こってりのラーメンで、学生受けすると思ったのでこの地に開店することを決めました。」

ーこってり系は、若者に受けますよね!

「うちの場合だと、サラリーマンのお客さんや、テーブル席もあるので家族連れのお客さんも足を運んでくれます。鰹ラーメンという、さっぱりとしたラーメンもあるのでお年寄りの方も足を運んでくれます。」

 ーこの地にお店を構えた16年前と比べると、蘇我の町はどのように変化していると思いますか?

「昔は、工場のイメージが強かったです。パチンコ屋や、ゲームセンターなどもありました。でも、パチンコ屋やゲームセンターはなくなっていきましたね。今は蘇我のスポーツ公園でフェスが行われたり、フクダ電子アリーナでサッカーの試合が行われたり、年代問わず幅広い人に親しまれている町だと感じます。東京に近いということもあって、蘇我に新しくできたマンションに引っ越された方も多いですね。」

ー16年前と比べると、様々な人が集まる町になったのですか?

「そうですね。私の店の客層も、昔は通りかけのお客さんはいなかったけれど、遠方からや、インターネットを見て、来店するお客さんが増えました。とくに、フェスが開催されたときは、多くの人が足を運んでくれます。」

蘇我は比較的新しい街ということもあり、若者が多く、それに合わせてフェスやイベントなどの開催も増えています。多くの人が足を運び、賑わいを見せているのですね。


・地域やお店の魅力づくり

▲大通りのそばに店を構える 「鐵」

―次に蘇我エリアの魅力を教えてください。

「音楽のフェス(JAPAN JAM・ROCK IN JAPAN FESTIVAL)が2つも蘇我でやっていることですね。フクダ電子アリーナもあるので、音楽とスポーツの融合ができたら面白いですね。」

ーこのフェスがさまざまなエリアから、人々が蘇我に足を運ぶきっかけになっていますよね。

「やはりこの町は、お盆や夏休みになると街に人がいなくなるんですね。会社が多いし、比較的新しくできた町なのでここに帰省する人も少ないと思います。そういった意味でも、大型連休にフェスがあるのはお店としてはプラス効果ですね。」

ー地域の魅力づくりのために、工夫していることがあれば教えてください。

「私は、蘇我駅東口商店街の商店会長をやっています。物販、飲食、銀行や自動車など様々な業種の方が商店街の組合に加入しています。一か月に一回定例会を行い、近隣のお店と情報交換をしています。JFEのお祭りにも商店街で参加したりしています。」

ー商店街が一丸となって、この商店街エリアを盛り上げようとしているのですね。

「Let’s enjoy そが(市民と千葉市の協働により、JR蘇我駅周辺地区のまちづくりを推進する)という組合で、コロナ前は住民や商店、企業と連携してスタンプラリーなどを行い盛り上がっていましたが、こういった活動はコロナでできなくなってしまっているので、非接触型の活動も進めていければと考えています。」

ー企業や、地域の住民の方とお店との繋がりはありますか?

「近所に住んでいる人々も多いので、トッピングが半額になるチケットをポスティングしたり、店内でPRしています。

でも、コロナ禍は本当に大変でした。本当にお店は大丈夫かなと思っていました。以前は駅からも近いので、夜にお店に寄っていこうという人も多かったんですけどね。今は、昼の賑わいは戻ってきましたが、夜はまだ全然戻ってきていません。夜から、昼スタイルの形態にお店が変わっているのかなと思っています。」

ーもう何年かコロナとは付き合っていかなければという気持ちもありますよね。

クーポンがポスティングされると、安くなるんだったら食べに行こう!という気持ちになるのではないでしょうか。こういった近隣地域への還元が、地域の人に愛されるお店を作り出しているのではないかと思いました。


・これからの展望

ーでは、最後に今後どのような存在でありたいか教えてください。

「蘇我の起点となるようなお店作りをしていくことです。」

ー新しい街だからこそ、今お店に通っている学生が味を思い出して、社会人になって来店するということもあるのですか?

「そうですね、久々に食べてもおいしいねと言ってくれます。

 若い子が客層としては多いので、部活応援キャンペーンでラーメンを学割価格にするなどもやっています。そうすると、来店した学生がまた新しい学生をお店に連れてきてくれます。

 美味しいものを作るということは、当たり前のことです。そうではなくて、やはりお店が支持されるようになることが大事ですね。そこから、やはり美味しいものは生まれるんですよ。」

クーポンのポスティングや、学生応援キャンペーンなどの鐵さんの取り組みが、きっと常連さんを作りだし、お客さんに支持される理由になっているのではないかと思いました。


・ラーメンの魅力。

ー最後に、お店のおすすめメニューやお店のこだわりがあれば教えてください。

「味噌チャーシュー麺ですね。麺はイチバン大事です。うちの店だけに、北海道小麦100%の麺を作ってもらっています。次に背油が大事です。油はべたべたでも硬すぎてもダメなので、よいさじ加減が必要です。鍋に味噌を直接入れて火をかけることで、味噌の味がダイレクトに伝わります。」

△鐵ブレンドの小麦

味噌は、少しの火加減などでしょっぱくなってしまったりするので、簡単そうに見えてとても難しい作業だそうです

そして、なんと……

インタビュー後、ラーメンを頂きました!

△鰹ラーメン(あっさりとした味わい)
△味噌チャーシュー麺(一番人気)

まず、ラーメンが運ばれて来た時の味噌の匂いが強く、食欲をそそられます。麺も、味噌のスープとよく絡んで美味しい!いつの間にか、無言で黙々と食べ続けていました。チャーシューは、トロトロでスープにくぐらせて食べると美味しさが倍増します。舘市さんの、麺やお味噌のこだわりを聞いた後に食べたので、より味わって食べることができました!ごちそうさまでした。


ここまで、舘市さんに蘇我の魅力やこれからの展望について、沢山お話していただきました。蘇我の町が音楽、スポーツ共に盛り上がっていくことで、より魅力のある町に変わっていくのではないでしょうか。インタビュー中、気さくにお客さんと話している舘市さんを見て、ラーメン屋鐵さんが地域に愛されているお店だと再確認しました。

※舘市さんのラーメンへのこだわりに対してはここでは書ききれなかったので、実際に、鐵さんに足を運んでその味を確認してくださいね~

舘市さん、お忙しい中取材へのご協力ありがとうございました。


 (NPO法人Drops 取材/大田黒澪 撮影/宮海璃)